木曜日のカフェラテ

何気ない日常と科学技術について。

技術士二次試験 口頭試験対策(経歴及び応用能力)

 受験申込時に提出した、実務経験証明書に記載した内容に基づいて質問されるのですが、ここでは、経歴に関する直接的な内容ではない質問事項についてまとめます。

受験の動機(目的)

 技術士というものをどう考えているか、また積極性を確認するためであり、動機は、自分のためと社会のための2つの観点を盛り込む必要があります。
 そもそもの技術士の定義はどういうものでしょうか?技術士会によれば、「豊富な実務経験、科学技術に関する高度な応用能力と高い技術者倫理を備えている最も権威ある国家資格を有する技術者」となっています。技術士技術士法により定義されている、名称独占資格です。
https://www.engineer.or.jp/g1.pdf

 つまり、社会から見て技術士とは、法律によりその技術力などが担保された立場にあるわけです。
 「そのような資格を取得することで、会社からも社会からも該当する分野の仕事に対して高い信頼が得られると考えたから」、というのが一つの回答と考えています。

技術士になった時の抱負(メリット)

 技術士になることで、何をしたいのか?どのような存在でいたいのか?を伝える必要があります。正直、別に抱負などないわけですが、そこはよりポジティブな意見を出す必要があります。
 また、受験の動機とリンクしている必要があります。
 
 回答としては、以下のようにしようと思います。
技術士になることで、より高度な技術的な判断を求められることも増えると思いますので、今まで以上に技術の研鑽に励みたいと思いますし、仕事を通じてより良い技術・サービスの提供に努めたいと思います。」

 これは、技術士の資質向上への責務(CPD)があるためで、それを念頭においています。

技術士の資格を今後どのように仕事に活かすのか

 内向き(社内向き)ではなく、外向き(外部の顧客など)に対してどう考えているか?を問われています。
 受験の動機でも述べたように、技術士技術士法にて定義されている国家資格ですので、技術士となった際には、当該部門のスペシャリストとしてみられるわけです。そのために、名称表示の場合の義務が設けられていると考えられます。

回答としては、「当該部門の技術士として、公益の確保に留意しつつ、新しい技術の習得・応用を通じ、世の中に役に立つ物やサービスを提供できるようになりたい。」

 単純な物やサービスの提供ではなく、技術士の責務の一つである、公益の確保を念頭におきました。

技術士二次試験 口頭試験対策(概要)

技術士二次試験の筆記試験を合格したので、口頭試験に進みます。技術部門は森林部門での受験となります。
試験対策用にまとめようと思い、まずはその概要を記載します。詳細は個別に別でまとめていこうと考えています。

試験時間は、受験票によると20分で、1.経歴及び応用能力、2.技術士制度認識、3.技術者倫理の3項目について口頭で回答するようです。

1.経歴及び応用能力

 受験申込時に提出した、実務経験証明書に記載した内容に基づいて質問される。主に、職務経歴と業務経歴であり、特に現在の業務内容について、以下の内容について説明する。

  • 主体的な関わり
  • 問題点抽出の根拠
  • 解決策の妥当性と根拠
  • 実現性と多様な視点
  • 将来展望

 基本的には、課題の抽出とそれに対する合理的な対処法の内容を説明できれば良いと思われる。また、技術的に実現性があり、コストや納期などの観点などの視点を加えると良いと考えられる。また、それにより生じる新たな課題と対応策まで述べることができれば良いのでないだろうか。
 つまり、筆記試験で質問されたような内容を実際の自分の業務に当てはめて回答できれば良いと考えらえる。


上記のメインの質問以外に以下の質問に対応する必要がある。

  • 受験の動機(目的)
  • 技術士になった時の抱負(メリット)
  • 技術士の資格を今後どのように仕事に活かすのか
  • 技術士取得により、現在の職務がどのように変化するか
  • 技術士より必要な資格があるのではないか
  • 選択科目Ⅲ(課題解決能力)の回答内容について説明

2.技術士制度認識

 以下の内容について聞かれるようです。条文そのままというよりは、その条文を自分なりに理解して回答することが求められると思います。

3.技術者倫理

 3義務2責務に関する内容を自分の言葉で回答する必要がある。公益に反した守秘を求められたらどうするかなどの質問も想定しておく必要がある。

  • 信用失墜行為の禁止
  • 秘密保持義務
  • 名称表示の場合の義務
  • 公益確保の責務
  • 資質向上の責務

好きな場所と好きな仕事

いつの頃からか、研究者になりたいと思うようになっていました。

 小学校の頃の理科の実験が好きだったので、自然とそういう風に考えるようになったのかもしれません。でも、これがやりたいと言える具体的なものは何も無くて、ただ何となく大学の先生とか憧れるな、なんて考えていた程度でした。

 大学に入って研究室に配属されると、ずーっと実験をしていました。今思えば、実験をして、ただデータを取るだけだったけど、何か新しモノを生み出しているという感覚に夢中になっていたと思います。

 シンとした夜の実験室が居心地が良かったのです。自分にとって好きな場所だったんだなと、今は思います。

 でも、いくらなってみたいなと思ってもAcademinの世界で簡単に研究者になれる訳ではないです。世界で最先端の論文を書けることは勿論、博士課程への進学、お金、ポストの空きなど諸々の条件が必要で、運を味方につけなければなりません。

 企業の研究開発は言ってみれば実用化の最先端を走っています。モノを実際に開発して、世の中に出していくわけです。そちらの方が、魅力的に思えて、就職活動をしました。この世界も狭き門です。その職につけても、ずっと残れる訳でもありませんし、別のポジションが向いているからということで異動ってことも往々にしてあります。

 好きな場所で好きな仕事をするって簡単でもないし、好きだと思っていたことが実は好きではなかった、やってみたら別のことが好きになることもあるでしょうね。

 やってみるまで分からないなら、悩むよりとりあえずやってみるが正解でしょうか?実験もそんなところがあります。理論をいくら考えても分からないなら、一つ実験してその事象から考える。この方が気づきも多いように思いますね。

 さて、僕は今もまだその「研究者」と呼べる仕事をしているのですから、割と向いている仕事であり、居場所を掴んだのだと、自分を褒めておこうかな。

 

Python超入門2 変数について

 Pythonの勉強をしています。今回は、変数について書きます。

変数とは

 Pythonでの変数(variable)は、値(Value)を入れると考えるといいです。このコードでは、apotatob10c15dみかんを代入しています。

a = "potato"
b = 10
c = 15
d ="みかん"

print(a)
print(b)
print(c)
print(d)

 print(a),print(b),print(c),print(d)として実行すると、potato、10、15、みかんとして出力されます。potatoやみかん、は'みかん'(シングルクオーテーション)や"みかん"(ダブルクーテーション)で括らないとエラーになります。
 ちなみに、シングルでもダブルでもどちらでも変わらないみたいなので、どっちを使うか決めておいて、使用すればいいと思います。

 さらにb + c と入力して実行すると、25と出力されます。

b + c

 または、こちらでも同じように25として出力されます。

e = b + c
print(e)

変数命名ルール

 変数には命名ルールがいくつかあります。基本的には、半角英数と_(アンダースコア)を使用するとだけ覚えておきましょう。ダメならエラーになるだけです。

  1. 先頭文字に数字は使えない
    100e = "potato"などは使えません。

  2. 予約語は使えない
    予約語とは実際にプログラムで仕様される文法のことです。pythonでは予約語keywordと呼びます。keywordには、例えばif、with、whileなどがあります。

  3. 大文字と小文字は区別される
    Aとaは違う変数として認識されます。 以下のように書いても、a = "potato"として格納されているので、実行結果はpotatoと出力されてしまいます。

A = 30
print(a)

変数の更新

 変数の値は、次々と新しい値に更新することができます。プログラムは上から順番に実行されていくので、次々に1が足し算されて、実行結果は3となります。
 この、上から順番に実行されるというところがポイントですね!そうじゃないと、同じことを書いてるだけのように思えますので・・・

add = 1
add = add + 1
add = add + 1
print(add)

 add =add + 1 は、add += 1と書いても同じ実行結果になります。なぜ+=を使うのかと言うと、書くコードの数が少なくなり省力化されるからだそうです。言われてみると確かに、書く数が少ないです。
 ちなみに、+=を-=と書くと減算されます。

add = 1
add += 1
add += 1
print(add)

変数の型

 データの型は以下の表のようなものがあります。記載したコードの方が何か知るためには、type関数を使えば分かります。

num1 = 1
type(num1)

#intと表示される
num2 = 1.0
type(num2)

#foatと表示される
num3 = [1,2,3]
type(num3)

#listと表示される

f:id:eruaru11:20220319164644p:plain

Python超入門1 はてなblogへのコード記入方法

 Pythonプログラムをはてなブログに追加する方法を紹介します。

はてな記法を使う

 はてなblogの設定→基本設定にある編集モードをはてな記法モードに変更します。これで、はてな記法でブログを作成できるようになります。


コードの記述

 下の図のように、pythonのプログラムコードを「>||」と「||<」で挟むように記述すると、本文中にコードが埋め込まれます。

f:id:eruaru11:20220306164705p:plain

 こんな風になります。

def f1(a,b):
  return a+b,a-b

f1 = f1(a=2,b=9)
print(f1)

どうやってコードを記述しているんだろうと考えていたのですが、意外と簡単でしたね。

ベルヌーイの定理

 図1に示すように、側面に小さな穴が空いた水槽を考えます。点1は、大気圧$p_{0}、速度v_{1}、高さz_{1}$の水面上にあり、側面の小さな点2の穴からは、大気圧$p_{0}、速度v_{2}、高さz_{2}$で水が流出しています。

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図1 水槽から流れ出る水

 

 この時の点1と点2の圧力、速度、高さの関係は、式(1)で示すベルヌーイの定理で説明され、「圧力のエネルギー」+「運動のエネルギー」+「位置のエネルギー」は一定となります。

$$ p + \frac{1}{2}\rho v^{2} + \rho g z = 一定  \tag{1} $$

 $p$ は圧力($P a$)、$\rho$は流体の密度($kg / m^{3}$)、$v$は流体の速度($m/s$)、$g$は重力加速度($m/s^{2}$)、$z$ は高さ($ m $)です。それぞれの項の単位は下記に示す様に圧力の単位になります。

$\rho v^{2}$ の単位は、$kg / m^{3} \times m^{2}/s^{2} = kg \times m/s^{2} \div m^{2} = N / m^{2} = P a$

$\rho g z$の単位は、$kg / m^{3} \times m/s^{2} \times m = kg \times m/s^{2} \div m^{2} = N / m^{2} = P a$

 式(1)では、圧力が一定であることを示しているだけなのに、何故エネルギーとなるのか?と疑問に思うかもしれません。

 これは、単位体積当たりで考えれば良く、単純に圧力の単位$N / m^{2}$を変形させ、$N \times m / m^{3} = J/ m^{3}$とすると、単位体積($m^{3}$)当たりのエネルギー($J$)の形となります。

 点1と点2の関係はベルヌーイの定理から、式(2)のようになります。

$$ p_{0} + \frac{1}{2}\rho v_{1}^{2} + \rho g z_{1} = p_{0} + \frac{1}{2}\rho v_{2}^{2} + \rho g z_{2} \tag{2}$$

 この時の運動エネルギーを動圧、圧力を静圧といい、これらの和を全圧あるいは総圧と言います。点1の水面の低下速度$v_{1}$は$v_{2}$に比較して十分小さく0とすると、上記の関係は、式(3)のように整理できます。

$$\rho g z_{1} = \frac{1}{2}\rho v_{2}^{2} + \rho g z_{2} \tag{3} $$ 

 つまり、点1と点2の静圧は大気圧で同じため、点1の位置エネルギーが点2の動圧と位置エネルギーに変換されたということです。

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図 2 点1と点2のエネルギーの関係

 式(3)より、$v_{2}$は式(4)の様に変形でき、流出している水の速度を求めることができます。

$$ v_{2} = \sqrt{2 g (z_{1} - z_{2})} \tag{4}$$

 なお、式(1)は式(5)(単位は$ m $)の様に変形でき、それぞれの項は圧力ヘッド、速度ヘッド、位置ヘッドといいます。

$$ \frac{p}{\rho g} + \frac{v^{2}}{2g} + z = 一定 \tag{5} $$

 圧力エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギーを全て高さに変換して考えることができ、ポンプの選定でよく登場します。ポンプについては、別途まとめて紹介しようと思います。

技術士2次試験対策 環境部門必須科目回答の構成

 2020年に技術士1次試験の森林部門を受験して無事に合格しました。業務経歴から、今年2次試験の受験資格があるという嬉しい(嬉しくない・・・)情報を貰い、2021年に2次試験環境部門を受験することになりました。

 2次試験の過去問を見ると、単に知識が問われるのではなく、論述形式でアウトプットしなくてはいけないため、正直どう受験対策をしていけばいいのか途方に暮れています。とりあえず、2次試験の対策方法をインターネットや本で軽く調べると、論理的に分かりやすく記述しないと、そもそも採点者が回答を見てくれないということが否応なく分かります。

 文章を書くのはとても苦手です。仕事でもしょっちゅう文章力を向上させろとしつこく言われ、「文章を書く」ということに嫌気がさしているところに、2次試験が論述形式なのですから、投げ出したくもなりますね。とはいえ、もう受験料は払ってしまったので、受けるからには限られた時間の中で対策し、何とか「合格」の2文字を勝ち取りたいところです。

 2次試験では、おそらく回答案をやみくもに書く練習をしても合格しない気がします。なので、ブログや書籍を参考にして、回答の構成を考え、解答例を書く練習をしていこうと思います。まず、受験予定の「環境部門」の必須科目を例に回答の構成を考えてみようと思います。

 

19 環境部門|公益社団法人 日本技術士会

令和2年度技術士二次試験 環境部門 必須科目Ⅰ ー1

第五次環境基本計画では、「環境・経済・社会の統合的向上」の実現のために特定の施策が複数の異なる課題を統合的に解決するような、相互に連関しあう分野横断的な6つの重点戦略が示されている。それぞれの戦略は、

  1. グリーンな経済システム
  2. ストックとしての国土の価値
  3. 持続可能な地域
  4. 健康で心豊かな暮らし
  5. 持続可能性を支える技術
  6. 国際貢献

の施策群である。これら重点戦略について、以下の問いに答えよ。

  1. 重点戦略のうち3つについて、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。
  2. 抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
  3. 全ての解決策を実行した上で生じる波及効果と専門技術を踏まえた懸念事項への対応策を示せ。
  4. 業務遂行に当たり、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から必要となる要件・留意点を述べよ。

上記について、1枚600字(24列✖️25行)の答案用紙3枚でまとめないといけません。

各設問と文字数の配分案です。必須科目は問題が変わっても似たような構成なので、文字数の配分も応用できるはずです。回答用紙の配分案を作ってみました。

 

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1.多面的な課題の抽出(0.6〜0.8枚)

 技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し、その内容を観点とともに示す。3つと指定されている設問もありますが、ない場合は課題の抽出は3つ程度にした方がベターのようです。

 上記問題で気になるワードは、技術者としての立場で多面的な観点から、ですね。

技術者としての立場

何らかの技術を導入することによって課題を解決できるストーリーにしろということでしょうね。

多面的な観点から

多面的とは、「ものの在り方や見方がいろいろな方面にわたっているさま。」要するに、切り口を複数用意して書けということでしょう。例えば、技術的な課題、それを実行する人材の課題、資源的な課題などいくつかの面から見た際の課題について分析し記載する必要があると思います。

 

2.重要課題(0.6〜0.8枚)

1.で抽出した課題から1項目を取り上げ、複数の解決策を示す。

解決策は3つとし、その内容をそれぞれ説明する。3つの理由は、参考にしたブログでも3つが多かったこと、2つでは複数と言うには少なく、4つでは紙面が不足すると思われるためです。

・解決策1

内容1 3行程度

・解決策2

内容2 3行程度

・解決策3

内容3 3行程度

 

3.波及効果と新たな懸案事項(0.8〜1.0枚)

波及効果

解決策を実施した結果、関連する他の産業にも波及する効果を述べる。

あくまでも、重要課題を解決する施策を実施したことで起こることを記載する必要がある。

新たな懸案事項

解決策を実施した結果新たに生じるリスクということ。解決策は、新しい技術の導入を伴うので、それによって発生する問題は何で、その 対応策はどうするのか?ということを記載できれば良いと思う。

4.技術者倫理、社会の持続可能性から必要となる要件・留意点(0.5枚)

技術者倫理

文部科学省のサイトに技術士に求められるコンピテンシーが記載されており、その中の技術者倫理に該当するように記載する必要がある。

技術士に求められる資質能力(コンピテンシー):文部科学省

 

  • 業務遂行にあたり、公衆の安全、健康及び福利を最優先に考慮した上で、社会、文化及び環境に対する影響を予見し、地球環境の保全等、次世代に渡る社会の持続性の確保に努め、技術士としての使命、社会的地位及び職責を自覚し、倫理的に行動すること。
  • 業務履行上、関係法令等の制度が求めている事項を遵守すること。
  • 業務履行上行う決定に際して、自らの業務及び責任の範囲を明確にし、これらの責任を負うこと。

 

社会の持続可能性

色々定義があると思いますが、個人的にはSDGsの環境・経済・社会を考えていけばいいのだと思います。SDGsには色々な概念が包括されているので、この部分を切り口にして記載できれば、技術者倫理に係る内容も網羅されるはずです。