木曜日のカフェラテ

何気ない日常と科学技術について。

好きな場所と好きな仕事

いつの頃からか、研究者になりたいと思うようになっていました。

 小学校の頃の理科の実験が好きだったので、自然とそういう風に考えるようになったのかもしれません。でも、これがやりたいと言える具体的なものは何も無くて、ただ何となく大学の先生とか憧れるな、なんて考えていた程度でした。

 大学に入って研究室に配属されると、ずーっと実験をしていました。今思えば、実験をして、ただデータを取るだけだったけど、何か新しモノを生み出しているという感覚に夢中になっていたと思います。

 シンとした夜の実験室が居心地が良かったのです。自分にとって好きな場所だったんだなと、今は思います。

 でも、いくらなってみたいなと思ってもAcademinの世界で簡単に研究者になれる訳ではないです。世界で最先端の論文を書けることは勿論、博士課程への進学、お金、ポストの空きなど諸々の条件が必要で、運を味方につけなければなりません。

 企業の研究開発は言ってみれば実用化の最先端を走っています。モノを実際に開発して、世の中に出していくわけです。そちらの方が、魅力的に思えて、就職活動をしました。この世界も狭き門です。その職につけても、ずっと残れる訳でもありませんし、別のポジションが向いているからということで異動ってことも往々にしてあります。

 好きな場所で好きな仕事をするって簡単でもないし、好きだと思っていたことが実は好きではなかった、やってみたら別のことが好きになることもあるでしょうね。

 やってみるまで分からないなら、悩むよりとりあえずやってみるが正解でしょうか?実験もそんなところがあります。理論をいくら考えても分からないなら、一つ実験してその事象から考える。この方が気づきも多いように思いますね。

 さて、僕は今もまだその「研究者」と呼べる仕事をしているのですから、割と向いている仕事であり、居場所を掴んだのだと、自分を褒めておこうかな。